新公が、――尤も今の新公の体は、駝鳥の羽根の前立だの、厳めしい金モオルの飾緒だの、大小幾つかの勲章だの、いろいろの名誉の標章に埋まつてゐるやうなものだつた。
しかし半白の髯の間に、こちらを見てゐる赭ら顔は、往年の乞食に違ひなかつた。
お富は思はず足を緩めた。
新公が、――尤も今の新公の体は、駝鳥の羽根の前立だの、厳めしい金モオルの飾緒だの、大小幾つかの勲章だの、いろいろの名誉の標章に埋まつてゐるやうなものだつた。
しかし半白の髯の間に、こちらを見てゐる赭ら顔は、往年の乞食に違ひなかつた。
お富は思はず足を緩めた。