芥川龍之介 『羅生門』 羅生門の樓の上へ出る、幅の廣い梯子の中段に、一人の男が、猫のやうに身をちゞめて、息を殺しながら、上の容子を窺つてゐた。 樓の上からさす火の光が、かすかに、その男の右の頬をぬらしてゐる。 短い鬚の中に、赤く膿を持つた面皰のある頬である。 芥川龍之介の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア