すると或秋の夕ぐれ、乳母は姫君の前へ出ると、考へ考へこんな事を云つた。
「甥の法師の頼みますには、丹波の前司なにがしの殿が、あなた様に会はせて頂きたいとか申して居るさうでございます。
前司はかたちも美しい上、心ばへも善いさうでございますし、前司の父も受領とは申せ、近い上達部の子でもございますから、お会ひになつては如何でございませう?
すると或秋の夕ぐれ、乳母は姫君の前へ出ると、考へ考へこんな事を云つた。
「甥の法師の頼みますには、丹波の前司なにがしの殿が、あなた様に会はせて頂きたいとか申して居るさうでございます。
前司はかたちも美しい上、心ばへも善いさうでございますし、前司の父も受領とは申せ、近い上達部の子でもございますから、お会ひになつては如何でございませう?