その間に召使ひは一人も残らず、ちりぢりに何処かへ立ち退いてしまふし、姫君の住んでゐた東の対も或年の大風に倒れてしまつた。
姫君はそれ以来乳母と一しよに侍の廊を住居にしてゐた。
其処は住居と云ふものの、手狭でもあれば住み荒してもあり、僅に雨露の凌げるだけだつた。
その間に召使ひは一人も残らず、ちりぢりに何処かへ立ち退いてしまふし、姫君の住んでゐた東の対も或年の大風に倒れてしまつた。
姫君はそれ以来乳母と一しよに侍の廊を住居にしてゐた。
其処は住居と云ふものの、手狭でもあれば住み荒してもあり、僅に雨露の凌げるだけだつた。