紺と白茶と格子になった炬燵蒲団の上には、端唄本が二三冊ひろげられて頸に鈴をさげた小さな白猫がその側に香箱をつくっている。
猫が身うごきをするたびに、頸の鈴がきこえるか、きこえぬかわからぬほどかすかな音をたてる。
房さんは禿頭を柔らかな猫の毛に触れるばかりに近づけて、ひとり、なまめいた語を誰に云うともなく繰り返しているのである。
紺と白茶と格子になった炬燵蒲団の上には、端唄本が二三冊ひろげられて頸に鈴をさげた小さな白猫がその側に香箱をつくっている。
猫が身うごきをするたびに、頸の鈴がきこえるか、きこえぬかわからぬほどかすかな音をたてる。
房さんは禿頭を柔らかな猫の毛に触れるばかりに近づけて、ひとり、なまめいた語を誰に云うともなく繰り返しているのである。