俊助はその舌たるい唄いぶりの中から、何か恐るべく不健全な香気が、発散して来るのを感ぜずにはいられなかった。
そうしてこの香気が彼の騒ぐ心を一層苛立てて行くような気がしてならなかった。
だからようやく独唱が終って、けたたましい拍手の音が起った時、彼はわずかにほっとした眼を挙げて、まるで救いを求めるように隣席の大井を振返った。
俊助はその舌たるい唄いぶりの中から、何か恐るべく不健全な香気が、発散して来るのを感ぜずにはいられなかった。
そうしてこの香気が彼の騒ぐ心を一層苛立てて行くような気がしてならなかった。
だからようやく独唱が終って、けたたましい拍手の音が起った時、彼はわずかにほっとした眼を挙げて、まるで救いを求めるように隣席の大井を振返った。