俊助は初めてその中年の紳士が清水昌一と云う男だったのに気がついた。
そこでまた演壇の方へ眼を返すと、今度はそこへ裾模様の令嬢が、盛な喝采に迎えられながら、ヴァイオリンを抱いてしずしずと登って来る所だった。
令嬢はほとんど人形のように可愛かったが、遺憾ながらヴァイオリンはただ間違わずに一通り弾いて行くと云うだけのものだった。
俊助は初めてその中年の紳士が清水昌一と云う男だったのに気がついた。
そこでまた演壇の方へ眼を返すと、今度はそこへ裾模様の令嬢が、盛な喝采に迎えられながら、ヴァイオリンを抱いてしずしずと登って来る所だった。
令嬢はほとんど人形のように可愛かったが、遺憾ながらヴァイオリンはただ間違わずに一通り弾いて行くと云うだけのものだった。