そこでまた演壇の方へ眼を返すと、今度はそこへ裾模様の令嬢が、盛な喝采に迎えられながら、ヴァイオリンを抱いてしずしずと登って来る所だった。
令嬢はほとんど人形のように可愛かったが、遺憾ながらヴァイオリンはただ間違わずに一通り弾いて行くと云うだけのものだった。
けれども俊助は幸と、清水昌一のシュウマンほど悪甘い刺戟に脅かされないで、ともかくも快よくチャイコウスキイの神秘な世界に安住出来るのを喜んだ。
そこでまた演壇の方へ眼を返すと、今度はそこへ裾模様の令嬢が、盛な喝采に迎えられながら、ヴァイオリンを抱いてしずしずと登って来る所だった。
令嬢はほとんど人形のように可愛かったが、遺憾ながらヴァイオリンはただ間違わずに一通り弾いて行くと云うだけのものだった。
けれども俊助は幸と、清水昌一のシュウマンほど悪甘い刺戟に脅かされないで、ともかくも快よくチャイコウスキイの神秘な世界に安住出来るのを喜んだ。