が、どちらが正体でどちらが影法師だか、その辺の際どい消息になると、まだ俊助にははっきりと見定めをつける事がむずかしかった。
だから彼は花房の饒舌っている間も、時々胸の赤薔薇を気にしている藤沢を偸み見ずにはいられなかった。
すると今度はその藤沢が、縁に繍のある手巾で紅茶を飲んだ口もとを拭いながら、また隣の独唱家の方を向いて、
が、どちらが正体でどちらが影法師だか、その辺の際どい消息になると、まだ俊助にははっきりと見定めをつける事がむずかしかった。
だから彼は花房の饒舌っている間も、時々胸の赤薔薇を気にしている藤沢を偸み見ずにはいられなかった。
すると今度はその藤沢が、縁に繍のある手巾で紅茶を飲んだ口もとを拭いながら、また隣の独唱家の方を向いて、