だから彼は花房の饒舌っている間も、時々胸の赤薔薇を気にしている藤沢を偸み見ずにはいられなかった。
すると今度はその藤沢が、縁に繍のある手巾で紅茶を飲んだ口もとを拭いながら、また隣の独唱家の方を向いて、
「この四月には『城』も特別号を出しますから、その前後には近藤さんを一つ煩わせて、展覧会を開こうと思っています。
だから彼は花房の饒舌っている間も、時々胸の赤薔薇を気にしている藤沢を偸み見ずにはいられなかった。
すると今度はその藤沢が、縁に繍のある手巾で紅茶を飲んだ口もとを拭いながら、また隣の独唱家の方を向いて、
「この四月には『城』も特別号を出しますから、その前後には近藤さんを一つ煩わせて、展覧会を開こうと思っています。