けれども大井は俊助の姿に気がつかなかったものと見えて、見る見る汽車の窓と共に遠くなりながらも、頻に手巾を振り続けていた。
俊助は狐につままれたような気がして、茫然とその後を見送るよりほかはなかった。
が、この衝動から恢復した時、俊助の心は何よりも、その手巾の閃きに応ずべき相手を物色するのに忙しかった。
けれども大井は俊助の姿に気がつかなかったものと見えて、見る見る汽車の窓と共に遠くなりながらも、頻に手巾を振り続けていた。
俊助は狐につままれたような気がして、茫然とその後を見送るよりほかはなかった。
が、この衝動から恢復した時、俊助の心は何よりも、その手巾の閃きに応ずべき相手を物色するのに忙しかった。