芥川龍之介 『路上』 二十一 その日俊助は、いつよりもやや出席が遅れたので、講壇をめぐった聴講席の中でも、一番後の机に坐らなければならなかった。 所がそこへ坐って見ると、なぞえに向うへ低くなった二三列前の机に、見慣れた黒木綿の紋附が、澄まして頬杖をついていた。 芥川龍之介の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア