僕はまだ君に聞いて貰いたい事が残っているんだが――」
大井は海老茶色の幕へ手をかけたまま、ふらつく足を踏みしめて、しばらく沈吟していたが、やがて俊助の鼻の先へ酒臭い顔を持って来ると、
「君は僕がどうしてあの晩、国府津なんぞへ行ったんだか知らないだろう。
僕はまだ君に聞いて貰いたい事が残っているんだが――」
大井は海老茶色の幕へ手をかけたまま、ふらつく足を踏みしめて、しばらく沈吟していたが、やがて俊助の鼻の先へ酒臭い顔を持って来ると、
「君は僕がどうしてあの晩、国府津なんぞへ行ったんだか知らないだろう。