俊助は軽蔑とも同情とも判然しない一種の感情に動かされながら三度こう呟いて、クラブ洗粉の広告電燈が目まぐるしく明滅する下を、静に赤い停留場の柱の方へ歩き出した。
三十六
下宿へ帰って来た俊助は、制服を和服に着換ると、まず青い蓋をかけた卓上電燈の光の下で、留守中に届いていた郵便へ眼を通した。
俊助は軽蔑とも同情とも判然しない一種の感情に動かされながら三度こう呟いて、クラブ洗粉の広告電燈が目まぐるしく明滅する下を、静に赤い停留場の柱の方へ歩き出した。
三十六
下宿へ帰って来た俊助は、制服を和服に着換ると、まず青い蓋をかけた卓上電燈の光の下で、留守中に届いていた郵便へ眼を通した。