俊助は微笑と共に、野村の手紙を巻きおさめて、今度は『城』の封を切った。
表紙にはビアズリイのタンホイゼルの画が刷ってあって、その上に l'art pour l'art と、細い朱文字で入れた銘があった。
目次を見ると、藤沢の「鳶色の薔薇」と云う抒情詩的の戯曲を筆頭に、近藤のロップス論とか、花房のアナクレオンの飜訳とか、いろいろな表題が行列していた。
俊助は微笑と共に、野村の手紙を巻きおさめて、今度は『城』の封を切った。
表紙にはビアズリイのタンホイゼルの画が刷ってあって、その上に l'art pour l'art と、細い朱文字で入れた銘があった。
目次を見ると、藤沢の「鳶色の薔薇」と云う抒情詩的の戯曲を筆頭に、近藤のロップス論とか、花房のアナクレオンの飜訳とか、いろいろな表題が行列していた。