が、ここに妙な事が起ったと申しますのは、どう云うものか、恵印の心にもほんとうに竜が昇りそうな――それも始はどちらかと申すと、昇らない事もなさそうな気がし出した事でございます。
恵印は元よりあの高札を打った当人でございますから、そんな莫迦げた気のすることはありそうもないものでございますが、目の下で寄せつ返しつしている烏帽子の波を見て居りますと、どうもそんな大変が起りそうな気が致してなりません。
これは見物の人数の心もちがいつとなく鼻蔵にも乗り移ったのでございましょうか。
が、ここに妙な事が起ったと申しますのは、どう云うものか、恵印の心にもほんとうに竜が昇りそうな――それも始はどちらかと申すと、昇らない事もなさそうな気がし出した事でございます。
恵印は元よりあの高札を打った当人でございますから、そんな莫迦げた気のすることはありそうもないものでございますが、目の下で寄せつ返しつしている烏帽子の波を見て居りますと、どうもそんな大変が起りそうな気が致してなりません。
これは見物の人数の心もちがいつとなく鼻蔵にも乗り移ったのでございましょうか。