そこで側の柱の下に死んだようになって坐っていた叔母の尼を抱き起しますと、妙にてれた容子も隠しきれないで、『竜を御覧じられたかな。
と臆病らしく尋ねました。
すると叔母は大息をついて、しばらくは口もきけないのか、ただ何度となく恐ろしそうに頷くばかりでございましたが、やがてまた震え声で、『見たともの、見たともの、金色の爪ばかり閃かいた、一面にまっ黒な竜神じゃろが。
そこで側の柱の下に死んだようになって坐っていた叔母の尼を抱き起しますと、妙にてれた容子も隠しきれないで、『竜を御覧じられたかな。
と臆病らしく尋ねました。
すると叔母は大息をついて、しばらくは口もきけないのか、ただ何度となく恐ろしそうに頷くばかりでございましたが、やがてまた震え声で、『見たともの、見たともの、金色の爪ばかり閃かいた、一面にまっ黒な竜神じゃろが。