芥川龍之介 『道祖問答』 春の夜の曹司はただしんかんと更け渡って、そのほかには鼠の啼く声さえも聞えない。 阿闍梨は、白地の錦の縁をとった円座の上に座をしめながら、式部の眼のさめるのを憚るように、中音で静かに法華経を誦しはじめた。 これが、この男の日頃からの習慣である。 芥川龍之介の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア