私は、独りで、上甲板を、艦尾から艦首へ歩きながら、奈良島の生死を気づかつた副長の狼狽した容子を、なつかしく思ひ返しました。
私たちがあの信号兵を、猿扱ひにしてゐた時でも、副長だけは、同じ人間らしい同情を持つてゐたのです。
それを、軽蔑した私たちの莫迦さかげんは、完くお話しにも何にもなりません。
私は、独りで、上甲板を、艦尾から艦首へ歩きながら、奈良島の生死を気づかつた副長の狼狽した容子を、なつかしく思ひ返しました。
私たちがあの信号兵を、猿扱ひにしてゐた時でも、副長だけは、同じ人間らしい同情を持つてゐたのです。
それを、軽蔑した私たちの莫迦さかげんは、完くお話しにも何にもなりません。