「成程な」とか「さようさ」とか云う度に、歯のない口が、空気を噛むような、運動をする。
根の所で、きたない黄いろになっている髯も、それにつれて上下へ動く、――それが如何にも、見すぼらしい。
李は、この老道士に比べれば、あらゆる点で、自分の方が、生活上の優者だと考えた。
「成程な」とか「さようさ」とか云う度に、歯のない口が、空気を噛むような、運動をする。
根の所で、きたない黄いろになっている髯も、それにつれて上下へ動く、――それが如何にも、見すぼらしい。
李は、この老道士に比べれば、あらゆる点で、自分の方が、生活上の優者だと考えた。