店はやはり主人のまはりに荒涼とした空気を漂はせてゐる。
保吉はいつか少しづつ女のゐないことを忘れ出した。
すると二月の末の或夜、学校の英吉利語講演会をやつと切り上げた保吉は生暖い南風に吹かれながら、格別買ひ物をする気もなしにふとこの店の前を通りかかつた。
店はやはり主人のまはりに荒涼とした空気を漂はせてゐる。
保吉はいつか少しづつ女のゐないことを忘れ出した。
すると二月の末の或夜、学校の英吉利語講演会をやつと切り上げた保吉は生暖い南風に吹かれながら、格別買ひ物をする気もなしにふとこの店の前を通りかかつた。