いや、その光がさしてゐるだけに、向うの軒先に吊した風鐸の影も、反つて濃くなつた宵闇の中に隠されてゐる位である。
硝子戸から客間を覗いて見ると、雨漏りの痕と鼠の食つた穴とが、白い紙張りの天井に斑々とまだ残つてゐる。
が、十畳の座敷には、赤い五羽鶴の毯が敷いてあるから、畳の古びだけは分明ではない。
いや、その光がさしてゐるだけに、向うの軒先に吊した風鐸の影も、反つて濃くなつた宵闇の中に隠されてゐる位である。
硝子戸から客間を覗いて見ると、雨漏りの痕と鼠の食つた穴とが、白い紙張りの天井に斑々とまだ残つてゐる。
が、十畳の座敷には、赤い五羽鶴の毯が敷いてあるから、畳の古びだけは分明ではない。