現にあの草山の喧嘩から、二三日経ったある日の午後、彼が例のごとくたった一人、山の中の古沼へ魚を釣りに行っていると、偶然そこへ思兼尊が、これも独り分け入って来た。
そうして隔意なく彼と一しょに、朽木の幹へ腰を下して、思いのほか打融けた世間話などをし始めた。
尊はもう髪も髯も白くなった老人ではあるが、部落第一の学者でもあり、予ねてまた部落第一の詩人と云う名誉も担っていた。
現にあの草山の喧嘩から、二三日経ったある日の午後、彼が例のごとくたった一人、山の中の古沼へ魚を釣りに行っていると、偶然そこへ思兼尊が、これも独り分け入って来た。
そうして隔意なく彼と一しょに、朽木の幹へ腰を下して、思いのほか打融けた世間話などをし始めた。
尊はもう髪も髯も白くなった老人ではあるが、部落第一の学者でもあり、予ねてまた部落第一の詩人と云う名誉も担っていた。