すると三四日経ったある夜の事、彼が山へ寝鳥でも捕えに行こうと思って、月明りを幸、部落の往来を独りぶらぶら歩いていると、誰か笛を吹きすさびながら、薄い靄の下りた中を、これも悠々と来かかるものがあった。
野蛮な彼は幼い時から、歌とか音楽とか云うものにはさらに興味を感じなかった。
が、藪木の花の匀のする春の月夜に包まれながら、だんだんこちらへやって来る笛の声に耳を傾けるのは、彼にとっても何となく、心憎い気のするものであった。
すると三四日経ったある夜の事、彼が山へ寝鳥でも捕えに行こうと思って、月明りを幸、部落の往来を独りぶらぶら歩いていると、誰か笛を吹きすさびながら、薄い靄の下りた中を、これも悠々と来かかるものがあった。
野蛮な彼は幼い時から、歌とか音楽とか云うものにはさらに興味を感じなかった。
が、藪木の花の匀のする春の月夜に包まれながら、だんだんこちらへやって来る笛の声に耳を傾けるのは、彼にとっても何となく、心憎い気のするものであった。