そこで始は昂然と肩を挙げて、挨拶もせずに通り過ぎようとした。
が、いよいよ二人がすれ違おうとした時、何かがもう一度彼の眼を若者の体へ惹きつけた。
と、相手の胸の上には、彼の母が遺物に残した、あの琅玕の勾玉が、曇りない月の光に濡れて、水々しく輝いていたではないか。
そこで始は昂然と肩を挙げて、挨拶もせずに通り過ぎようとした。
が、いよいよ二人がすれ違おうとした時、何かがもう一度彼の眼を若者の体へ惹きつけた。
と、相手の胸の上には、彼の母が遺物に残した、あの琅玕の勾玉が、曇りない月の光に濡れて、水々しく輝いていたではないか。