そうしてその七年目の夏、彼は出雲の簸の川を遡って行く、一艘の独木舟の帆の下に、蘆の深い両岸を眺めている、退屈な彼自身を見出したのであった。
蘆の向うには一面に、高い松の木が茂っていた。
この松の枝が、むらむらと、互に鬩ぎ合った上には、夏霞に煙っている、陰鬱な山々の頂があった。
そうしてその七年目の夏、彼は出雲の簸の川を遡って行く、一艘の独木舟の帆の下に、蘆の深い両岸を眺めている、退屈な彼自身を見出したのであった。
蘆の向うには一面に、高い松の木が茂っていた。
この松の枝が、むらむらと、互に鬩ぎ合った上には、夏霞に煙っている、陰鬱な山々の頂があった。