が、この鷺の影を除いては、川筋一帯どこを見ても、ほとんど人を脅すような、明い寂寞が支配していた。
彼は舷に身を凭せて、日に蒸された松脂の匀を胸一ぱいに吸いこみながら、長い間独木舟を風の吹きやるのに任せていた。
実際この寂しい川筋の景色も、幾多の冒険に慣れた素戔嗚には、まるで高天原の八衢のように、今では寸分の刺戟さえない、平凡な往来に過ぎないのであった。
が、この鷺の影を除いては、川筋一帯どこを見ても、ほとんど人を脅すような、明い寂寞が支配していた。
彼は舷に身を凭せて、日に蒸された松脂の匀を胸一ぱいに吸いこみながら、長い間独木舟を風の吹きやるのに任せていた。
実際この寂しい川筋の景色も、幾多の冒険に慣れた素戔嗚には、まるで高天原の八衢のように、今では寸分の刺戟さえない、平凡な往来に過ぎないのであった。