彼は今夜の泊りを考えながら、前よりはやや注意深く、両岸に眼を配って行った。
松は水の上まで枝垂れた枝を、鉄網のように纏め合せて、林の奥の神秘な世界を、執念く人目から隠していた。
それでも時たまその松が、鹿でも水を飲みに来るせいか、疎に透いている所には不気味なほど赤い大茸が、薄暗い中に簇々と群っている朽木も見えた。
彼は今夜の泊りを考えながら、前よりはやや注意深く、両岸に眼を配って行った。
松は水の上まで枝垂れた枝を、鉄網のように纏め合せて、林の奥の神秘な世界を、執念く人目から隠していた。
それでも時たまその松が、鹿でも水を飲みに来るせいか、疎に透いている所には不気味なほど赤い大茸が、薄暗い中に簇々と群っている朽木も見えた。