と、気軽そうにあやし始めるのです。
――この時の事は後になっても、和尚贔屓の門番が、樒や線香を売る片手間に、よく参詣人へ話しました。
御承知かも知れませんが、日錚和尚と云う人は、もと深川の左官だったのが、十九の年に足場から落ちて、一時正気を失った後、急に菩提心を起したとか云う、でんぼう肌の畸人だったのです。
と、気軽そうにあやし始めるのです。
――この時の事は後になっても、和尚贔屓の門番が、樒や線香を売る片手間に、よく参詣人へ話しました。
御承知かも知れませんが、日錚和尚と云う人は、もと深川の左官だったのが、十九の年に足場から落ちて、一時正気を失った後、急に菩提心を起したとか云う、でんぼう肌の畸人だったのです。