もう一人は、黄色い法衣を着て、耳に小さな青銅の環をさげた、一見、象貌の奇古な沙門である。
皮膚の色が並はづれて黒い上に、髪や鬚の縮れてゐる所を見ると、どうも葱嶺の西からでも来た人間らしい。
これはさつきから根気よく、朱柄の麈尾をふりふり、裸の男にたからうとする虻や蠅を追つてゐたが、流石に少しくたびれたと見えて、今では、例の素焼の瓶の側へ来て、七面鳥のやうな恰好をしながら、勿体らしくしやがんでゐる。
もう一人は、黄色い法衣を着て、耳に小さな青銅の環をさげた、一見、象貌の奇古な沙門である。
皮膚の色が並はづれて黒い上に、髪や鬚の縮れてゐる所を見ると、どうも葱嶺の西からでも来た人間らしい。
これはさつきから根気よく、朱柄の麈尾をふりふり、裸の男にたからうとする虻や蠅を追つてゐたが、流石に少しくたびれたと見えて、今では、例の素焼の瓶の側へ来て、七面鳥のやうな恰好をしながら、勿体らしくしやがんでゐる。