これはさつきから根気よく、朱柄の麈尾をふりふり、裸の男にたからうとする虻や蠅を追つてゐたが、流石に少しくたびれたと見えて、今では、例の素焼の瓶の側へ来て、七面鳥のやうな恰好をしながら、勿体らしくしやがんでゐる。
あとの一人は、この二人からずつと離れて、打麦場の隅にある草房の軒下に立つてゐる。
この男は、頤の先に、鼠の尻尾のやうな髯を、申訳だけに生やして、踵が隠れる程長い皁布衫に、結目をだらしなく垂らした茶褐帯と云ふ拵へである。
これはさつきから根気よく、朱柄の麈尾をふりふり、裸の男にたからうとする虻や蠅を追つてゐたが、流石に少しくたびれたと見えて、今では、例の素焼の瓶の側へ来て、七面鳥のやうな恰好をしながら、勿体らしくしやがんでゐる。
あとの一人は、この二人からずつと離れて、打麦場の隅にある草房の軒下に立つてゐる。
この男は、頤の先に、鼠の尻尾のやうな髯を、申訳だけに生やして、踵が隠れる程長い皁布衫に、結目をだらしなく垂らした茶褐帯と云ふ拵へである。