嘘なら、方々の井戸へ唾を吐いて、悪い病さへ流行らせれば、大抵の人間は、苦しまぎれに当来の波羅葦僧なぞは、忘れてしまふ。
――フランシス上人の後へついて、殊勝らしく、そこいらを見物して歩きながら、悪魔は、私にこんな事を考へて、独り会心の微笑をもらしてゐた。
が、たつた一つ、ここに困つた事がある。
嘘なら、方々の井戸へ唾を吐いて、悪い病さへ流行らせれば、大抵の人間は、苦しまぎれに当来の波羅葦僧なぞは、忘れてしまふ。
――フランシス上人の後へついて、殊勝らしく、そこいらを見物して歩きながら、悪魔は、私にこんな事を考へて、独り会心の微笑をもらしてゐた。
が、たつた一つ、ここに困つた事がある。