唯その時の土工の姿は、今でも良平の頭の何処かに、はつきりした記憶を残してゐる。
薄明りの中に仄めいた、小さい黄色の麦藁帽、――しかしその記憶さへも、年毎に色彩は薄れるらしい。
その後十日余りたつてから、良平は又たつた一人、午過ぎの工事場に佇みながら、トロツコの来るのを眺めてゐた。
唯その時の土工の姿は、今でも良平の頭の何処かに、はつきりした記憶を残してゐる。
薄明りの中に仄めいた、小さい黄色の麦藁帽、――しかしその記憶さへも、年毎に色彩は薄れるらしい。
その後十日余りたつてから、良平は又たつた一人、午過ぎの工事場に佇みながら、トロツコの来るのを眺めてゐた。