芥川龍之介 『トロツコ』 すると今度は着物までも、汗の濡れ通つたのが気になつたから、やはり必死に駈け続けたなり、羽織を路側へ脱いで捨てた。 蜜柑畑へ来る頃には、あたりは暗くなる一方だつた。 「命さへ助かれば――」良平はさう思ひながら、辷つてもつまづいても走つて行つた。 芥川龍之介の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア