何か仔細がなくては、妄に主家を駈落ちなどする男ではない。
こう思ったから、佐渡守は、その仔細を尋ねると同時に、本家からの附人にどう云う間違いが起っても、親類中へ相談なり、知らせなりしないのは、穏でない旨を忠告した。
ところが、修理は、これを聞くと、眼の色を変えながら、刀の柄へ手をかけて、「佐渡守殿は、別して、林右衛門めを贔屓にせられるようでござるが、手前家来の仕置は、不肖ながら手前一存で取計らい申す。
何か仔細がなくては、妄に主家を駈落ちなどする男ではない。
こう思ったから、佐渡守は、その仔細を尋ねると同時に、本家からの附人にどう云う間違いが起っても、親類中へ相談なり、知らせなりしないのは、穏でない旨を忠告した。
ところが、修理は、これを聞くと、眼の色を変えながら、刀の柄へ手をかけて、「佐渡守殿は、別して、林右衛門めを贔屓にせられるようでござるが、手前家来の仕置は、不肖ながら手前一存で取計らい申す。