「人を殺したって、物盗りの女房になったって、する気でしたんでなければ仕方がないやね。
青侍は、扇を帯へさしながら、立上った。
翁も、もう提の水で、泥にまみれた手を洗っている――二人とも、どうやら、暮れてゆく春の日と、相手の心もちとに、物足りない何ものかを、感じてでもいるような容子である。
「人を殺したって、物盗りの女房になったって、する気でしたんでなければ仕方がないやね。
青侍は、扇を帯へさしながら、立上った。
翁も、もう提の水で、泥にまみれた手を洗っている――二人とも、どうやら、暮れてゆく春の日と、相手の心もちとに、物足りない何ものかを、感じてでもいるような容子である。