尤も自分の如く、生来言語学的な頭脳に乏しい人間にとつては、それだけで存在の権利があつたと云ひ直しても別に差支へはない。
だから今日も、ノオトをとつたりやめたりしながら、半分はさう云ふ興味で、マツクス・ミユラアがどうとかしたとか云ふ講義を面白がつて聴いてゐた。
すると自分の前の席に、髪の毛の長い学生が坐つてゐて、その人の髪の毛が、時々自分のノオトの上を、掃くやうにさらさら通りすぎた。
尤も自分の如く、生来言語学的な頭脳に乏しい人間にとつては、それだけで存在の権利があつたと云ひ直しても別に差支へはない。
だから今日も、ノオトをとつたりやめたりしながら、半分はさう云ふ興味で、マツクス・ミユラアがどうとかしたとか云ふ講義を面白がつて聴いてゐた。
すると自分の前の席に、髪の毛の長い学生が坐つてゐて、その人の髪の毛が、時々自分のノオトの上を、掃くやうにさらさら通りすぎた。