すると二人のゐる所へ、給仕の谷がやつて来て、相場の話をし始めた。
それも「まかり間違つたら、これになる覚悟でなくつちや駄目ですね」と、手を後へまはして見せたのだから盛である。
成瀬は「莫迦だな」と云つて、取合はなかつたが、当時「財布」と云ふ小説を考へてゐた自分は、さまざまな意味で面白かつたから、食事をしまふまで谷の相手になつた。
すると二人のゐる所へ、給仕の谷がやつて来て、相場の話をし始めた。
それも「まかり間違つたら、これになる覚悟でなくつちや駄目ですね」と、手を後へまはして見せたのだから盛である。
成瀬は「莫迦だな」と云つて、取合はなかつたが、当時「財布」と云ふ小説を考へてゐた自分は、さまざまな意味で面白かつたから、食事をしまふまで谷の相手になつた。