成瀬は「莫迦だな」と云つて、取合はなかつたが、当時「財布」と云ふ小説を考へてゐた自分は、さまざまな意味で面白かつたから、食事をしまふまで谷の相手になつた。
さうして妙な相場の熟語を、十ばかり一度に教へられた。
午後は講義がなかつたから、一白舎を出ると二人で、近所の宮裏に下宿してゐる久米の所へ遊びに行つた。
成瀬は「莫迦だな」と云つて、取合はなかつたが、当時「財布」と云ふ小説を考へてゐた自分は、さまざまな意味で面白かつたから、食事をしまふまで谷の相手になつた。
さうして妙な相場の熟語を、十ばかり一度に教へられた。
午後は講義がなかつたから、一白舎を出ると二人で、近所の宮裏に下宿してゐる久米の所へ遊びに行つた。