その限りに於て田山氏は、氏の「妻」や「田舎教師」が如何に退屈であるにしても、乃至又氏の平面描写論が如何に幼稚であるにしても、確に我々後輩の敬意――とまで行かなければ、少くとも興味位は惹くに足る人物だつた。
が、遺憾ながら当時の我々は、まだこの情熱に富んだ氏の人格を、評価するだけの雅量に乏しかつた。
だから我々は氏の小説を一貫して、月光と性慾とを除いては、何ものも発見する事は出来なかつた。
その限りに於て田山氏は、氏の「妻」や「田舎教師」が如何に退屈であるにしても、乃至又氏の平面描写論が如何に幼稚であるにしても、確に我々後輩の敬意――とまで行かなければ、少くとも興味位は惹くに足る人物だつた。
が、遺憾ながら当時の我々は、まだこの情熱に富んだ氏の人格を、評価するだけの雅量に乏しかつた。
だから我々は氏の小説を一貫して、月光と性慾とを除いては、何ものも発見する事は出来なかつた。