まだ感傷癖こそ脱しなかつたが、彼の中には宗教の匂のするものが、もうふんだんに磅礴してゐた。
彼はその東洋とも西洋ともつかないイエルサレムの建設をもくろみながらキエルケガアドを愛読したり、怪しげな水彩画を描いて見たりした。
当時彼の描いた水彩画の一つにさかさまにした方が遙に画らしくなるもののあつたのは、今でもよく覚えてゐる。
まだ感傷癖こそ脱しなかつたが、彼の中には宗教の匂のするものが、もうふんだんに磅礴してゐた。
彼はその東洋とも西洋ともつかないイエルサレムの建設をもくろみながらキエルケガアドを愛読したり、怪しげな水彩画を描いて見たりした。
当時彼の描いた水彩画の一つにさかさまにした方が遙に画らしくなるもののあつたのは、今でもよく覚えてゐる。