芥川龍之介 『あの頃の自分の事』 さうしてその中の一つの自働車には、あの金と白粉との老夫人が毛皮に顔を埋めながら、乗らうとしてゐる所だつた。 我々は外套の襟を立てて、その間をやつと風の寒い往来へ出た。 ふと見ると、我々の前には、警視庁の殺風景な建物が、黒く空を衝いて聳えてゐた。 芥川龍之介の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア