さうして一つ教科書に代る代る二人で仮名をつけて、試験前には一しよにその教科書を読んで間に合せてゐた。
丁度その午後の独逸語は成瀬が出席する番に当つてゐたから、自分は食事をしまふと、成瀬に教科書を引き渡して、独りで一白舎の外へ出た。
出ると外は凩が、砂煙を往来の空に捲き上げてゐた。
さうして一つ教科書に代る代る二人で仮名をつけて、試験前には一しよにその教科書を読んで間に合せてゐた。
丁度その午後の独逸語は成瀬が出席する番に当つてゐたから、自分は食事をしまふと、成瀬に教科書を引き渡して、独りで一白舎の外へ出た。
出ると外は凩が、砂煙を往来の空に捲き上げてゐた。