丁度その午後の独逸語は成瀬が出席する番に当つてゐたから、自分は食事をしまふと、成瀬に教科書を引き渡して、独りで一白舎の外へ出た。
出ると外は凩が、砂煙を往来の空に捲き上げてゐた。
黄いろい並木の銀杏の落葉も、その中でくるくる舞ひながら、大学前の古本屋の店の奥まで吹かれて行つた。
丁度その午後の独逸語は成瀬が出席する番に当つてゐたから、自分は食事をしまふと、成瀬に教科書を引き渡して、独りで一白舎の外へ出た。
出ると外は凩が、砂煙を往来の空に捲き上げてゐた。
黄いろい並木の銀杏の落葉も、その中でくるくる舞ひながら、大学前の古本屋の店の奥まで吹かれて行つた。