二人は少時黙然と、別々の事を考へながら、ぢつとその声に聞き入つてゐた。
すると急に、――トウルゲネフ自身の言葉を借りれば、「しかしこの『急に』がわかるものは、唯猟人ばかりである。
――急に向うの草の中から、紛れやうのない啼き声と共に、一羽の山鴫が舞上つた。
二人は少時黙然と、別々の事を考へながら、ぢつとその声に聞き入つてゐた。
すると急に、――トウルゲネフ自身の言葉を借りれば、「しかしこの『急に』がわかるものは、唯猟人ばかりである。
――急に向うの草の中から、紛れやうのない啼き声と共に、一羽の山鴫が舞上つた。