――一月ばかり前の或暮れ方、余り身なりの好くない青年が、是非主人に会ひたいと云ふから、兎に角奥へ通して見ると、初対面の主人に向つて、「取りあへずあなたに頂きたいのは、火酒と鯡の尻尾です。
と云ふ。
そればかりでも既に驚かされたが、この又異様な青年が、既に多少は名声のある、新しい作家の一人だつたのには、愈驚かずにはゐられなかつた。
――一月ばかり前の或暮れ方、余り身なりの好くない青年が、是非主人に会ひたいと云ふから、兎に角奥へ通して見ると、初対面の主人に向つて、「取りあへずあなたに頂きたいのは、火酒と鯡の尻尾です。
と云ふ。
そればかりでも既に驚かされたが、この又異様な青年が、既に多少は名声のある、新しい作家の一人だつたのには、愈驚かずにはゐられなかつた。