一時彼がトウルゲネフと、絶交するやうになつたのも、――いや、現に彼はトウルゲネフが、山鴫を射落したと云ふ事にも、不相変嘘を嗅ぎつけてゐる。
トウルゲネフは大きな息をしながら、ふと龕の前に足を止めた。
龕の中には大理石の像が、遠い蝋燭の光を受けた、覚束ない影に浮き出してゐる、――それはリヨフには長兄に当る、ニコライ・トルストイの半身像だつた。
一時彼がトウルゲネフと、絶交するやうになつたのも、――いや、現に彼はトウルゲネフが、山鴫を射落したと云ふ事にも、不相変嘘を嗅ぎつけてゐる。
トウルゲネフは大きな息をしながら、ふと龕の前に足を止めた。
龕の中には大理石の像が、遠い蝋燭の光を受けた、覚束ない影に浮き出してゐる、――それはリヨフには長兄に当る、ニコライ・トルストイの半身像だつた。