が、主人は銀の手のついたコツプへ、湯沸の茶を落しながら、それぎり何とも口を利かなかつた。
かう云ふ事が一二度続いた後、トウルゲネフは丁度昨夜のやうに、不機嫌なトルストイの顔を見てゐるのが、だんだん苦しくなり始めた。
殊に今朝は余人がゐないだけ、一層彼には心のやり場が、何処にもないやうな気がするのだつた。
が、主人は銀の手のついたコツプへ、湯沸の茶を落しながら、それぎり何とも口を利かなかつた。
かう云ふ事が一二度続いた後、トウルゲネフは丁度昨夜のやうに、不機嫌なトルストイの顔を見てゐるのが、だんだん苦しくなり始めた。
殊に今朝は余人がゐないだけ、一層彼には心のやり場が、何処にもないやうな気がするのだつた。