まるいのは市村の麦わら帽子、細長いのは中塚の浴衣であった。
黒いものは谷の底からなお上へのぼって馬の背のように空をかぎる。
その中で頭の上の遠くに、菱の花びらの半ばをとがったほうを上にしておいたような、貝塚から出る黒曜石の鏃のような形をしたのが槍が岳で、その左と右に歯朶の葉のような高低をもって長くつづいたのが、信濃と飛騨とを限る連山である。
まるいのは市村の麦わら帽子、細長いのは中塚の浴衣であった。
黒いものは谷の底からなお上へのぼって馬の背のように空をかぎる。
その中で頭の上の遠くに、菱の花びらの半ばをとがったほうを上にしておいたような、貝塚から出る黒曜石の鏃のような形をしたのが槍が岳で、その左と右に歯朶の葉のような高低をもって長くつづいたのが、信濃と飛騨とを限る連山である。