妙だなと思う途端、車掌がベルの綱を引いたので、電車はそのまま動き出しましたが、それでもまだ窓から外を眺めていると、停留場が遠くなるのに従って、今度は何となく私の眼にも、そこの月の光の中に、だんだん小さくなって行く人影があるような気がしました。
これは申すまでもなく、私の神経の迷かもしれませんが、あの先を急ぐ赤電車の車掌が、どうして乗る人もない停留場へ電車を止めなどしたのでしょう。
しかもこんな目に遇ったのは、何も私ばかりじゃなく、私の知人の間にも、三四人はいようと云うのです。
妙だなと思う途端、車掌がベルの綱を引いたので、電車はそのまま動き出しましたが、それでもまだ窓から外を眺めていると、停留場が遠くなるのに従って、今度は何となく私の眼にも、そこの月の光の中に、だんだん小さくなって行く人影があるような気がしました。
これは申すまでもなく、私の神経の迷かもしれませんが、あの先を急ぐ赤電車の車掌が、どうして乗る人もない停留場へ電車を止めなどしたのでしょう。
しかもこんな目に遇ったのは、何も私ばかりじゃなく、私の知人の間にも、三四人はいようと云うのです。